この記事では、特定の動物グループの魅力を掘り下げます。今回の主役は「小型の亀」です。
【小型亀】簡単に飼えるというのは本当?
一般的に亀と聞くとどのようなイメージを持ちますか?
多くの人は浦島太郎の話から亀は大きな生き物というイメージを持つかもしれませんが、実際のペットとしての亀は「小型」の方が一般的です。
ペットとしてよく見られる「ミドリガメ」も成長するとその大きさに驚く人が多いのです。
つまり、私たちが普段飼っている亀は予想以上に大きくなり得るため、飼育にはそれなりの準備が必要とされます。
そんな中で、飼育しやすい小型の亀があればという願望が出てきますが、実際には小型の亀が飼いやすいわけではないかもしれません。
何を指す「小型亀」か?
小型亀は魅力的に感じられるかもしれません。亀の可愛さはその小ささにもあるわけですが、小さな体は環境変化に脆いことがあります。
市場には極端に小型の亀は少なく、絶滅危惧種として保護されることが多いです。
このことから、小型亀の魅力を体験することは難しいのが現状です。
具体的な小型亀の種類
ここでは科ごとの小型亀を中心にご紹介します。
例えば、ヌマガメ科に属する亀で、最小のものはおよそ14cmの甲長を持ちます。
アメリカ東部に生息する「ミューレンベルグイシガメ(Glyptemys muhlenbergii)」は最大甲長が11.4cmで、黒い体にピンク色の斑が特徴です。
また、日本でも人気の「キボシイシガメ(Clemmys guttata)」もこのグループに含まれ、最大甲長は13.6cmです。
これらの小型亀は美しさも魅力の一つで、比較的飼育しやすい種類とされています。
アメリカの陸生亀である「ニシキハコガメ(Terrapene ornata)」も小型種で、最小で154mmの記録があります。
これらの亀のブリーダーや飼育者は継続的に管理と保護に努めています。
小さなカメの種類2:イシガメ科
新大陸にヌマガメ科がいるのに対し、アジアを象徴するイシガメ科の中で小型のカメを探ると、実は14cm程度の水棲性のカメは確認されていないか、もしかすると既に絶滅しているのかもしれません。
その一方で、最大で甲長が14.5cmに達するとされるジャノメイシガメやヨツメイシガメは存在しますが、これらは飼育が困難であるという印象が強いです。
では、ハコガメやヤマガメのような陸棲性のカメはどうでしょうか?
イシガメ科の中では、最も小型とされるのがインド原産のケララヤマガメ(またはモリヤマガメ)で、その最大サイズが13.1cmと非常に小型です。このカメは1912年に発見されて以来、長らく再発見されなかった非常に珍しい種で、インドでは厳重に保護されています。
小さなカメの種類3:曲頚類
次に、よく知られている曲頚類のカメを見てみましょう。
ヘビクビガメ科には、オーストラリアのクビカシゲガメが含まれ、このカメはオスで最大甲長が15.5cmとされ、CITES Iによって保護されており、流通は見込めません。
一方、ヨコクビガメ科では、最近国内に初めて輸入されたヒメハコヨコクビガメが注目されており、その最大甲長は約12cmです。
これらのカメは保護対象にはなっておらず、将来的には流通量が増えるかもしれません。
小さなカメの種類4:ドロガメ科
水生傾向の強いドロガメ科の中で、最も小さいのはヒラタニオイガメで、文献によるとその最大甲長は11.5cmです。
このカメはアメリカ合衆国アラバマ州に限定された地域に生息し、厳重に保護されており、野生個体の流通はありません。
EUではCB個体が非常に高価で少量流通していますが、すぐに売り切れてしまうことが多いです。
小さなカメの種類5:リクガメ科
リクガメ科は大型種のイメージが強いですが、実は小型の種も存在します。
例えば、ヒラセリクガメの仲間であるシモフリヒラセリクガメは最大甲長がわずか9.6cmと非常に小さいです。
この種は南アフリカ原産で、流通の機会がほとんどなく、飼育法も確立されていません。